特集|線維筋痛症・慢性疲労症候群(ME/CFS)と、働き方

Record稼働設計 読了 6分

受信箱を、頭の外に置いた(前編)

返事の下書きと日程の仮押さえまでは AI が用意する。送る機能は持たせていない。送るのは私のまま。

封筒が何通か立ててある受信トレイ、升目のうち1つだけ色の付いたカレンダー、画面を上にして置かれたスマートフォン
イラスト|編集部(AI生成)
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Peopleこの記事の人

  • 岡田シンペイ

    線維筋痛症・慢性疲労症候群(ME/CFS)の当事者。WEB制作会社 合同会社LOFIR代表、AIネイティブ・エンジニア。体調に波がある人の働き方を設計し、記録している。

私は、線維筋痛症と慢性疲労症候群(ME/CFS)とともに働いています。この記事では、その中で得た知見や、取り組んでいることを紹介します。

In 3 lines

  • 30分に一度、AI(Claude Code)が受信箱を見に行く。返事が要るものは私の文体で下書きになり、日程はカレンダーに【仮】で入る。
  • 下書きは IMAP でスマホにも入る。寝転がったまま読んで、直して、送れる。
  • 送信する機能は仕組みの中に存在しない。金額・契約・お詫びは下書きを書かず、要点だけが私に戻る。メールは消さず、移すだけ。

交流会に出た翌日は、朝からかなりしんどい一日でした。前の日に、朝の打ち合わせ、展示会、夕方の交流会と、少し無理をして外に出た反動(労作後倦怠感(PEM)(新しいタブで開きます))が残っていたからです。

その日の受信箱には、交流会で名刺を交換した方からのお礼のメールが届いていて、うち2通には候補日が書いてありました。

メールを AI に読ませる仕組みは、それより前からありました。届いたメールを自動で読みに行って索引にしておき、Claude Code(新しいタブで開きます) からそれを見て、返事の文面を考えたり、案件の作業に反映したりする。この日のお礼への返事も、そうやって下書きを作ってもらって送りました。

それでも、だるかったのです。
一通ずつ「このメールの返事を考えて」と頼んで、出てきたものを確かめて、送る。その一往復が、体調の悪い日には重い。
届いたメールには、頼まなくても返事を準備しておいてほしい。そう思って、一通ずつ返す代わりに、仕組みのほうを作ることにしました。手を動かした時間でいうと、1時間ほどです。

動くのを確かめてから、夕方まで寝ました。
起きたときには、下書きがもう下書きフォルダに入っていました。

以前の返事は、ずるずる伸びていた

メールのアプリは、立ち上げたら立ち上げっぱなしです。メールが来ているのは見えている。でも、返事がだるいな、と思って、そのまま置いておくことがありました。

日程の調整が要るメールだと、もっと長くなります。
メールを見て、カレンダーを見に行って、この日は空いている、でもこの辺りはしんどいな、と考える。そういえば Slack や LINE にも連絡が来ていたな、と見に行く。そうしているうちに、少ししんどくなってくる。
この日のこの時間なら大丈夫、と決めて書き始めても、添付を付けなきゃ、この話もしなきゃ、と足していくうちに、ずるずる伸びる。朝一番に返そうと思っていたメールが、夕方や夜になることは、たまにありました。

カレンダーの確認そのものも、見た目より手間がかかります。予定を一か所にきちんと入れていれば済む話です。ただ、抜けが一つあるだけで詰むので、抜けていないかを確かめる手順が、けっこうあるのです。

升目だけのカレンダー、吹き出しが2つ映ったスマートフォン、クリップで留めた書きかけの便箋が、離れて置いてある
返事を書く前に、見に行くものが多かったイラスト|編集部(AI生成)

受信箱を見に行くのは、私ではなくなった

いまは、朝8時から夜10時まで、30分に一度、AI(Claude Code)が受信箱を見に行きます。私がメールを開いていなくても、横になっていても、動いています。

見に行って、やることは5つです。

届いたメールを読んで、返事が要るものと要らないものに分ける。
返事が要るものは、その相手との過去のやり取りと、いま進んでいる仕事の記録を見て、私の文体で下書きを書く。
日程の話が入っていれば、私のカレンダーを見て、空いていて無理のない日時を1つ選ぶ。それを下書きに書いたうえで、カレンダーに【仮】で入れておく。
私がその返事を送ったら、5分以内に【仮】が外れて、相手の返事待ちの予定になる。相手から「その日で」と返ってきたら、確定にして、予備で押さえていた枠は消す。
営業や配信のメールは、事業に役立ちそうなものだけ受信箱に残して、それ以外は別の箱へ移す。受信箱には、大事なメールだけが残るようにしています。

下書きは、メールの「下書き」フォルダに入っています。メールは IMAP で受けているので、同じ下書きがパソコンのメールアプリにも、スマホのメールアプリにも入ります。パソコンの前に座らなくても、寝転がったままスマホで読んで、直して、送れます。

相手から見える体験は、これまでと変わりません。私の名前で、私の文体で、私が送っています。

起きたら、下書きがある

翌朝も、パソコンを立ち上げた時点で、お客さんからのメールが何通か入っていて、もう下書きになっていました。

私がするのは、お客さんが書いていることと、AI が書いた下書きを並べて読んで、過不足がないかを見ることです。問題がなければ送る。問題があれば直して送る。それを一通ずつやっていきます。
追加の依頼が来ていれば、そのまま Claude Code で作業に入り、終わったら下書きの文面を書き換えて送ります。

中身の確認と、ある程度の修正は、まだ要ります。それでも、簡単なメールなら、あらかた任せられる質になってきたと感じています。

渡していないもの

送る、という動作は渡していません。
これは我慢しているのではなくて、この仕組みの中に、送信するという機能そのものが存在しないようにしてあります。下書きを置くところまでで、道具が終わっている。だから、私が読まずに相手へ何かが届くことは、起こりようがありません。

金額・見積・契約・お詫び・法律や税金に関わる返事も、渡していません。
そういうメールが来ると、下書きは書かれず、「この件は判断が要る」という要点だけが私の手元に残ります。初日にも1件、価格改定の商品一覧が添付で届いたメールが、この扱いになりました。

それと、届いたメールを消すことは渡していません。営業メールを片付けるときも、別のフォルダへ移すだけです。あとで「あれどこ行った」と探せる場所に残しています。

—

後編では、この仕組みで何が楽になったかを書きました。
頭の外に置くということ、初日に3回直したこと、AI にメールを読ませることと、相手にどう伝えているか。

続きはこちらです。


この記事について

この記事について(稼働・反動・AI の使用・掲載範囲)
読み方これは少数の実例から組み立てた方法です。一般に当てはまる手順ではありません。それでも書くのは、実際にやった記録が積み重なることに値打ちがあると考えているからです。やったことは書きますが、助言はしません。読み方について(新しいタブで開きます)
執筆にかかった稼働前編・後編あわせて。仕組みを足す作業は、手を動かした時間で約1時間(その日のうちに、意図どおり動くかを追いかけて確認した時間は別)。記事は対話の記録からの下書きに、音声で2回フィードバックを返した
反動仕組みを作ったこと自体の反動は、あまり感じていない。ただ、作った日は前日の外出(打ち合わせ・展示会・交流会)の反動で朝からかなりしんどく、動作を確かめたあと夕方まで寝た。翌日も手の痛み、体の重さとだるさ、腰の痛みがあり、下半身が重く、立っているだけで足が痛む。これも外出の反動が残っていると感じている(本人確認 2026-09-17)
AIの使用対話の記録と音声でのフィードバックからの下書き。取捨選択と文責は編集部。この記事で扱った「メールを読んで下書きを書く仕組み」も AI(Claude)で動いている
掲載範囲家族は登場しません。メールの相手(交流会で会った方・取引先)は、社名も個人名も内容も書いていません

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岡田シンペイ

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