Peopleこの記事の人
- 岡田シンペイ
線維筋痛症・慢性疲労症候群(ME/CFS)の当事者。WEB制作会社 合同会社LOFIR代表、AIネイティブ・エンジニア。体調に波がある人の働き方を設計し、記録している。
私は、線維筋痛症と慢性疲労症候群(ME/CFS)とともに働いています。この記事では、その中で得た知見や、取り組んでいることを紹介します。
In 3 lines
- 休職中は月に1回、ベッドの上からオンラインで人事と面談した。半年で良くならず、就業規則のとおり退職した。
- 退職後はハローワークで、IT のスキルを使ってフルリモートで生活できる仕事を探したが、見つからなかった。
- 自分の会社に、1日1〜2時間から戻った。経理・メールの返事・1時間で終わる修正だけを受け、打ち合わせの要る案件は人に渡した。4時間の上限まで増やしてから、範囲を広げた。
前編では、働きながら職場に少しずつ伝えて、休職に入るまでを書きました。
後編は、休職してから、いまの働き方に戻るまでです。
休職中は、月に1回、ベッドの上から人事と話した
休職のあいだは、月に1回、会社の人事と面談していました。
面談はオンラインです。電動ベッドに寝たまま、上半身だけ少し起こして、前編に書いたベッドとデスクの環境から出ていました。
いまどういう状況か。治療があまりうまく進んでいないこと。しんどいこと。
それを話しながら、療養を続けました。
会社員をしながら兼業で立てた自分の会社もありましたが、
こちらも代表をいったん降りて、完全に休みました。
会社のほうは、業務量をかなり落としたうえで、ほかのメンバーが回してくれていました。
半年で、就業規則のとおり退職した
半年ほど休んでも、良くはなりませんでした。
就業規則のとおり、半年を過ぎたところで退職になりました。
退職して、完全に無職になりました。
ハローワークで探したもの
退職したあとは、月に1回ハローワークに通いました。
その前に、痛みを専門にする科の主治医に、就労可能証明書という書式で意見を書いてもらっていました。
中身は、1日4時間まで、負担の少ない作業に限って働いてよい、というものです。
それを持って、仕事を探しました。
探したのは、IT のスキルを使って、フルリモートで、ちゃんと生活していけるだけの仕事です。
これは、見つかりませんでした。
障害のある人が働く場として、就労継続支援の A型・B型も考えました。
ただ、私の場合は、金額があまりに合いませんでした。
それよりも、線維筋痛症(新しいタブで開きます)であること、体にハンデがあることを条件として先に示したうえで、
フリーランスとして仕事を受ける方法を探ったほうがいい、と判断して、A型・B型は選択肢から外しました。
ハローワークに通っていた期間に、仕事は見つかりませんでした。
自分の会社に、1日1時間から戻った
その期間が終わって、自分の会社に戻りました。
代表に戻ったのは、それから1年ほどあとです。
上限は、主治医の意見どおり1日4時間に置きました。
ただ、いきなり4時間ではありません。はじめは1日1時間か2時間でした。
そこから少しずつ増やして4時間の上限まで行き、そのあとで、やる仕事の範囲を広げていきました。

はじめにやっていたのは、こういう仕事です。
- 経理。請求書を出す、経費を会計ソフトに入れる
- お客さんから来るメールへの返事
- ウェブサイトの修正。営業時間の書き換えや、ナビゲーションの直しのような、1時間かからずに終わるものだけ
決めていたのは、打ち合わせが要る案件は受けないことです。
チャットやメールで来た情報だけで処理できる修正に絞り、
打ち合わせが必要なものは、ほかのメンバーにやってもらいました。
打ち合わせと、新しい制作へ
そこから少しずつ、打ち合わせに出るようになり、新しいサイトの制作も受けるようになりました。
といっても、ゼロから作る制作は受けられません。
会社にもともとある、パッケージをもとにした制作が中心です。
同じころ、記事の執筆のような仕事でも、AI に任せられる範囲が増えてきていました。
それを確かめる実験もかねて、AI を使ったマーケティング支援の仕事も受けるようになりました。
いまは、平日の朝9時から夕方まで働いています。その1週間は、別の記事に書きました。
いちばん悪かったころの1日を、基準にしている
辞める直前や、戻ったばかりのころは、いまのようには全然働けていませんでした。
ブレインフォグ(新しいタブで開きます)もひどく、働いたあとの反動も強く、
それが毎日、慢性的に積み重なっていました。気持ちもずっとネガティブでした。
いちばん悪かったころは、1日1時間か2時間働けたらいいほうだったと思います。
いまでも、たまにそういう日はあります。当時は、それが毎日でした。
それを1日の上限、つまりベースライン(新しいタブで開きます)に置くと、
やれる仕事の中身には、かなりの制限がありました。
短い時間で成果を出すための道具も、当時はほとんどありませんでした。
ChatGPT が出てきたばかりで、メールの下書きを書かせてみる、くらいのことはできましたが、
いまのように Claude Code(新しいタブで開きます) や Codex(新しいタブで開きます) で作業をまるごと任せることは、できませんでした。
いまの私の仕事なら、本当に体調がだめな日でも、2時間だけ働いて、一定のものは出せると思います。

ただ、これは私ひとりの頑張りで決まっていることではありません。
同じ2時間で何ができるかは、仕事と環境によって違います。
仕事で使う道具をどう使い、どこまで自動化するか。
会社がその働き方を認めて、評価して、そういう任せ方をしてくれるか。
仕組みと環境がそろって、はじめて同じ2時間の中身が変わります。
休職する前の私にも、戻ったばかりの私にも、それはまだありませんでした。
なみのまでは、この組み立てを「稼働設計(新しいタブで開きます)」と呼んで、記録を集めています。
この記事について
| 読み方 | これは少数の実例から組み立てた方法です。一般に当てはまる手順ではありません。それでも書くのは、実際にやった記録が積み重なることに値打ちがあると考えているからです。やったことは書きますが、助言はしません。読み方について(新しいタブで開きます) |
|---|---|
| 執筆にかかった稼働 | 口述 約20分(3本ぶん約1時間のうち)/構成と下書き=編集部(AI を使用) |
| 反動 | ほとんどなし。自分の体験を話しただけで、当時会社に出した報告を残してあったので、思い出すのも難しくなかった |
| AIの使用 | 音声入力の文字起こしと下書き。取捨選択と文責は編集部 |
| 利益相反 | なし |
| 掲載範囲 | 編集長自身の記録です。当時の勤め先とお客さまは特定できないように書いています。治療の中身と、制度の受給については書いていません(制度の窓口は「線維筋痛症・慢性疲労症候群(ME/CFS)と就労」にまとめています) |
記事にしない短い記録と、新しい記事のお知らせを、X(@naminoma_jp)に置いています。
Latest新着の記事すべて見る →







