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- 岡田シンペイ
線維筋痛症・慢性疲労症候群(ME/CFS)の当事者。WEB制作会社 合同会社LOFIR代表、AIネイティブ・エンジニア。体調に波がある人の働き方を設計し、記録している。
私は、線維筋痛症と慢性疲労症候群(ME/CFS)とともに働いています。この記事では、その中で得た知見や、取り組んでいることを紹介します。
In 3 lines
- 実践ガイドは健康な社員を前提にしていて、1日8,000歩もスタンディングデスクも、私には当てはまらない。立っていられるのは3〜5分で、足全体に痛みが出て、反動はすぐに来る。
- ベッドでの仕事はガイドでは「腰痛の原因」の側に入る。ただ、椅子では腕や首に体重を預けられず、ベッドのほうが長く働ける。
- 取り入れたのは、日中の部屋の照明を最大にすること、1時間に1回はベッドを出ること、歩く代わりに水の中で動くこと。
平日はほぼ在宅で、電動ベッドの上で働いています。
前編では、座りすぎを減らして働く「アクティブ・テレワーク」を紹介するポッドキャストを聴いて、30秒椅子立ち上がりテストを測った話を書きました。結果は14回で、40代の最下位の区分でした。
後編では、番組が紹介した実践ガイドに自分の生活を照らして、当てはまらないところと、それでも取り入れられることを書きます。
実践ガイドに照らすと、当てはまらないところ
ガイドは企業の担当者に向けて、健康な社員を前提に書かれています1。研究班が PDF で公開していて、誰でも読めます。
私の生活に照らすと、当てはまらないところのほうが多くありました。
1日8,000歩、スタンディングデスク
ガイドは「今より約1,000歩(約10分)多く」から始めて、1日8,000歩を目指す形です1。歩くと反動が大きい私には、同じ目標は立てられません。
立って働くことも、ガイドは勧めています1。
私の机は、電動ベッドをまたぐ形で置いた昇降デスクです。ノートパソコンはモニターアームの上に載せていて、高さや位置を自由に動かせます。メールを1通返すくらいの軽い作業なら、立ってキーボードを打つこともあります。
ただ、立っていられるのは3分から5分です。足の裏や甲、両足全体にかなりの痛みが出ます。家の中は素足かスリッパで、クッションが効かないので、立っているだけでつらい。外では、底が厚くてクッションの効いた靴を履いているので、多少は耐えられます。
5分を超えて立つと、膝から下を中心に痛みが強くなり、太ももにも広がります。体力も削られて、そのあとは横になってしまいます。反動はすぐに出ます。外出で長く立ったり歩いたりした日は、その夜も翌日も、体全体が重くなります。
ベッドでの仕事は「腰痛の原因」
ガイドには「ソファ、ベッド、こたつ等でのパソコン作業は腰痛の原因になります」とあります1。
実際、腰痛はあります。ただ、私がベッドで働くのには理由があります。
椅子に座って働くと、下半身を中心にしんどさが出ます。腕を預ける場所がないので腕全体が痛くなり、頭の重さを預けられないので首にも負担がかかります。車の運転も同じで、できるけれど、疲れと痛みが確実にたまっていきます。
電動ベッドなら、体重を体全体に分けてベッドに預けられます。調子のいい日は、座る姿勢に近いところまで背を起こします。重い日は、ほぼ平らに寝かせて頭だけ少し上げます。ものを書くときはデスクを使うこともありますが、家にいるときの仕事は、できるかぎりベッドの上です。
寝たまま音声入力で仕事ができているのも、このおかげです。デスクと椅子で働くことになったら、働ける時間はかなり減ると思います。
腰痛については、私の場合はマットレスで変わりました。
ベッドはパラマウントベッドの電動ベッドです。導入したころのマットレスは硬めで、それで働いていたときは腰痛の原因になっていたと思います。エアマットレスの「ここちあ結起 3D」に替えてから、体への沿い方がかなり良くなりました2。いまは同じシリーズの「ここちあ利楽 flow」です。背の角度に合わせて硬さが変わります。
床ずれを防ぐために空気を動かす機能もついていますが、仕事中は落ち着かないので、あまり使っていません。結起 3D から替えて良くなったのは、姿勢を変えたときの動きの滑らかさです。沿い方は、仕事で使うぶんにはそれほど変わらない気がします。
それでも、取り入れられること
当てはまらないことは多いのですが、参考にできることもありました。いま取り入れているのは次の三つです。
日中は部屋の照明を最大にする
照明は、体調に関係なく変えられます。家の中は暗くなりがちなので、日中は部屋の照明を最大の明るさにして働き、夜は少し暗くしています。
ただ、線維筋痛症や筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の人の中には、光や音に過敏な人もいます(感覚過敏(新しいタブで開きます))。明るい照明そのものがつらい、という人には当てはまりません。私の場合は、まぶしい画面は無理ですが、部屋が明るいのは大丈夫でした。
1時間に1回は、ベッドを出る
ガイドは「30分に1回は立ち上がる」としています1。私は1時間に1回を目安に、ベッドから出るようにしています。水を飲みに行く、トイレに行く、日光を浴びに出る。何でもいいので、同じ姿勢で何時間も過ごさないためです。
ただ、これは意識だけの問題なので、できない日はできません。
歩く代わりに、水の中で動く
歩数は、私には反動が大きすぎます。水の中なら、陸よりずっと負担が少なく体を動かせました。
線維筋痛症の診療ガイドラインも、運動療法について「水中と陸上の運動の間には明らかな差がない」としています3。
運動についてこれは編集長ひとりの記録で、おすすめではありません。慢性疲労症候群(ME/CFS)では、動いたその日の夜から翌日、ときに数日遅れて悪化することがあります(PEM(労作後倦怠感)(新しいタブで開きます))。運動量を決まった割合で増やしていく方法(GET(段階的運動療法)(新しいタブで開きます))は、2021年の NICE ガイドライン NG206 で推奨から外れました。同じガイドラインは、健康な人向けの運動プログラムを ME/CFS の人に勧めないことも求めています4。体を動かすかどうかは、必ず主治医とご相談ください。
私たちにちょうどいい動き方は、自分で探すしかない

番組やガイドが示しているのは、健康な人がテレワークでも保ちたい最低限の運動の量です。
線維筋痛症や慢性疲労症候群の私たちは、その量に届かないのがふつうです。同じ量の運動や歩数を自分に求めたら、生活が回らなくなり、反動もひどく、たぶん悪化すると思います。
私たちが働くときの基準のようなものがあればいいのに、と思います。病院でも「できるだけ動いて」「できるだけ日光を浴びて」と言われます。ただ、その「無理のない範囲」は、人によっても、その日の体調によっても変わります。
私の場合、しんどい日にまったく動かないでいると、悪いほうへ回っていく感じがあります。
雨が何日か続くと、気圧のせいなのか、体がだるく、頭が痛く、節々が痛みます。しんどいから寝るのですが、寝てもつらい。そういう日は、寝て過ごすしかない日もあります。
それでも、しんどいなりにプールへ行くと、少しましになることがあります。ジムは家から歩いて5分ほどのところにあります。
しんどい日に泳ぎに行って、それでだるさが増した、ということは、私の場合はほとんどありませんでした。泳いだ疲れは出ますが、血のめぐりが良くなるのか、痛みが少し軽くなって、翌日に調子が戻ることもあります。泳げない日は、歩いて行ってスパに入るだけで帰ってくることもあります。
行かずに寝て過ごした日は、翌日もしんどいままのことが多い。ただ、これは私一人の経験で、同じ病気でも逆になる人はいると思います。
どう無理なく動くか。しんどい日に、少しだけ動けるかどうか。
答えは人によって違うので、私は自分の体と相談しながら探しています。動かないと決めた日も、同じだけ大事な判断だと思っています。
この記事について
| 読み方 | これは一人の記録です。同じ病名でも、同じ条件でも、別の結果になります。それでも書くのは、一人ぶんの具体が積み重なることに値打ちがあると考えているからです。体験は書きますが、助言はしません。読み方について(新しいタブで開きます) |
|---|---|
| 執筆にかかった稼働 | 入力と音声フィードバック 約30分・確認 約5分(前後編あわせて約1時間と約10分。数日に分けて書いた)/構成と下書き=編集部(AI を使用) |
| 反動 | 反動というより、書いている今がしんどい。今週は台風と雨で体調がかなり悪い方に傾いていて、四肢の痛み、強めの倦怠感、息切れが続いている中で書いた |
| AIの使用 | 素材の裏取り(出典の取得と数字の照合)、音声の文字起こしと下書き。取捨選択と文責は編集部 |
| 利益相反 | なし(番組・研究所・ベッドとマットレスのメーカー・ジムから、提供・報酬は受けていません) |
| 掲載範囲 | 編集長自身の記録です。通院先・薬・診断の中身は書いていません |
Sources
この記事が参照した一次情報です。番号は本文中の番号に対応します。参照した日を併記しています。
- 明治安田厚生事業団 体力医学研究所『企業担当者のための 健康に配慮したテレワーク実践ガイド アクティブ・テレワークのすすめ』(2025年8月)p.6〜11・p.19(新しいタブで開きます)
- パラマウントベッド「エアマットレス ここちあ利楽 flow」(新しいタブで開きます)
- 日本線維筋痛症学会・AMED 研究班 編『線維筋痛症診療ガイドライン2017』CQ12-3(Minds 掲載)(新しいタブで開きます)
- NICE guideline NG206「Myalgic encephalomyelitis (or encephalopathy)/chronic fatigue syndrome: diagnosis and management」(2021-10-29)1.11.9・1.11.14(新しいタブで開きます)
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