特集|線維筋痛症・ME/CFS と、働き方

Record記録 読了 5分

1日2時間で区切ると、効率は落ちる。そのかわり、翌日の目が手に入る(後編)

いちばんしんどかったのは仕事そのものではなく、管理のための管理だった。

大きな紙が1枚と、そこから切り分けた同じ大きさの小さな紙片が下に並んでいる
2時間で終わる大きさまで割る
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Peopleこの記事の人

  • 岡田慎平

    線維筋痛症・ME/CFS の当事者。WEB制作会社 合同会社LOFIR 代表社員。体調に波がある人の働き方を設計し、記録している。

In 3 lines

  • 1日2時間で区切るには、2時間で終わるタスクに割れていないといけない。工程のままでは「進捗25%」としか書けず、それが本当に4分の1なのかも分からない。
  • 割って登録することがいちばん重かった。忙しいときほどできなくなり、管理表は形だけ残る。それでもプロジェクト自体は進んでしまう。
  • いま AI に渡しているのは、作る仕事ではなく管理のほう。「更新しないといけない」という頭の残量そのものを外に出せる。

前編では、20ページほどのコーポレートサイトを、1日2時間・週4日という上限を先に決めて進めた話を書きました。
細く区切ると効率は落ちること、そのかわり翌日に客観的な目が入ること。

上限を決めた話は前編に書きました。

この回は、その前提の話です。
1日2時間で区切るには、2時間で終わるタスクに割れていないといけません。
そして、割ること自体が、いちばん重い作業でした。

2時間で区切るには、2時間で終わるタスクが要る

ここがいちばんの前提です。

ウェブサイト制作の工程は、大きく並べるとこうなります。

要件の整理 → 見積もり → 基本設計と詳細設計 → ワイヤーフレーム → デザイン →
テスト環境の構築 → 実装 → 各ページの仕上げ(文章、画像の選定と入れ込み、必要なら写真撮影)→
社内での表示確認 → お客さまへ検証をお願いする

この粒度のままでは、1つも2時間で終わりません。
そしてこの粒度で管理すると、進捗は「25%」としか書けません。
それが本当に4分の1なのかどうか、自分でも分からないという状態になります。

だから、もっと下まで落とします。

「ワイヤーフレーム」ひとつ取っても、どのページのワイヤーフレームなのか
大きなページならそのうちのどの部分なのかで、量がまったく違います。
機能でも同じです。検索という機能ひとつでも、
検索結果の画面なのか、ボタンを押したときに出るモーダルなのかで別物です。

私は画面単位で切ることが多いのですが、大きなページはそれでも1回では終わりません。
そういうときは、せめて半分で切れる粒度にするか、前半と後半、セクション単位まで落とします。

実装も同じです。枠だけ作って表示できる状態にするのと、
CSS で細部を詰めてデザインに近づけるのとでは、まったく別の作業です。分けておきます。

タスクの粒度と、1日に使える時間が噛み合っているかどうか。
上限を決めて働くなら、ここが合っていないと、そもそも回りません。

分解して登録することが、いちばん重かった

ただ、この分解と登録が、ものすごく手間でした。

タスクは Notion で管理しています。スプレッドシートでも同じことはできます。
一覧があって、どこまで進んだか、実際の稼働がどれくらいだったかを並べて見ます。

雛形は作れます。それでも毎回はまりません。
ページの数も内容も案件ごとに違うので、個別の調整が要ります。
ちょうどいい粒度も、やる人によって変わります。

そしていちばん困るのは、忙しいときほど、これができなくなることです。

タスクは登録されているのに更新されないまま溜まる。
そもそも起票されない。管理表が運用されなくなって、形だけ残る。
これは、何度もありました。

正直に書くと、それでもプロジェクト自体は進みます。
お客さまの前で動くものを見せられて、動くもので擦り合わせができて、
メールで進捗を報告できていれば、仕事は前に出ます。

管理表は、プロジェクトを進めるものではありませんでした。
私の側が、自分の1日を組むために要るものでした。

管理表は、きちんと作ろうとするほど使われなくなる

タスク管理表は、進捗を追うためのものであると同時に、関係者とのコミュニケーションでもあります。
だから重要なのですが、実に難しいと、ずっと思ってきました。

システマチックにやろうとすればするほど、噛み合わなくなります。
テンプレートの枠や、会社として決めた形に沿ってやろうとすると、
自分の実際の仕事に合わないので、しんどくなって使わなくなります。

何より、手間です。

いまは、そこが自動になった

ここが、いちばん変わったところです。

どれくらいの粒度に分解するか、それを管理表に登録するところが、ほとんど自動になりました。

会議の文字起こしを読ませると、そこからタスクを抽出して、担当を割り当てて、
粒度を決めて登録するところまで通ります。
進捗のほうも、日報を書いていれば、そこからタスクに反映されます。

ここへ来るまでには、ずいぶん工夫をしてきました。
振り返りのタイミングでまとめて更新する、普段の言葉や業務の記録から自動で拾えないか試す。
いまは日報を書いていれば更新されるくらいまで来たので、意識しなくてよくなりました。

当時いちばんしんどかったのは、仕事そのものではなく、管理のための管理でした。
そこが減ったぶんが、そのまま1日2時間の中に戻ってきています。

渡しているのは、作る仕事ではありません

ここは、はっきり書いておきたいところです。

AI に渡しているのは、コーディングや、何かを作る仕事のほうではありません。
管理すること、帳票を更新すること。 そちらです。

クリップボードに挟んだ一覧表と、その横に置かれた小さなマイク
その日にやったことを喋っておけば、日報にもタスクにもなりますイラスト|編集部(AI生成)

いまは、その日にやったことを音声でひととおり喋っておけば、
日報になり、タスクになり、タスクの更新まで通ります。

そして、いちばん大きいのはここです。

「更新しないといけない」という、頭の中の残量そのものを外に出せます。

渡せると、時間も、体力も、頭の残量も、同時に軽くなります。
体調に波がある働き方では、この3つが同時に軽くなることの意味が大きいと思っています。

判断の量に限りがある話は、別の記事に書きました。


この記事について

この記事について(稼働・反動・AI の使用・掲載範囲)
読み方これは一人の記録です。同じ病名でも、同じ条件でも、別の結果になります。それでも書くのは、一人ぶんの具体が積み重なることに値打ちがあると考えているからです。体験は書きますが、助言はしません。読み方について(新しいタブで開きます)
執筆にかかった稼働口述と確認 約45分(編集長。前編・後編あわせて)/構成と下書き=編集部(AI を使用)
反動少しあり。長めの記事なので、疲れが残った
AIの使用口述の文字起こしと下書きの作成。取捨選択と文責は編集部
利益相反なし
掲載範囲編集長自身の記録です。お客さまを特定できる情報(社名・業種・時期・サイトの URL)は書いていません

Authorこの記事を書いた人

岡田慎平

線維筋痛症・ME/CFS の当事者。WEB制作会社 合同会社LOFIR 代表社員。体調に波がある人の働き方を設計し、記録している。

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