Peopleこの記事の人
- 岡田慎平
線維筋痛症・ME/CFS の当事者。WEB制作会社 合同会社LOFIR 代表社員。体調に波がある人の働き方を設計し、記録している。
In 3 lines
- メール1本に、調べて、見積もって、提案までしていた。午前が終わる日もあった。
- 重い日はそこで止まる。溜めて、徹夜して、ダウンして、また溜まるを繰り返した。
- 先にセーブを覚え、そのあと5分で終わる仕事まで Claude Code を通した。
私は線維筋痛症(新しいタブで開きます)の当事者(新しいタブで開きます)で、ウェブ制作の受託をしています。これは、働くと決めた私が、働き方をどう組み直したかの記録です。働かないという選択も、働くという選択と同じだけまっとうなものだと思っています。誰かに勧めるつもりで書いてはいません。
メール1本の中身
朝、お客さまからメールが届きます。これについて対応をお願いします。これはどうしたらいいと思いますか。見積もりをください。
従来のやり方だと、まずサイトの状態を確認しに行って、何をしないといけないのかを洗い出し、どう直すかの計画を頭の中で立てて、それなら工数はこれくらいだと計算しながら、返信の文面を書きます。
メール1本のはずが、調べて、見積もって、提案までしています。軽いものなら数分で返せますが、お金が絡むものになると30分、1時間かかることがあります。午前中に返信を3本考えていると、それだけで午前が終わります。10時からの打ち合わせが入りやすく、終わる頃には課題とやることが増えていて、その間にまた追加のメールが届いています。午後の空いた時間で、受託案件の実装や企画、自社サイトのこと。そうしているとまた打ち合わせが入り、夕方になります。
症状が重い日に起きていたこと
線維筋痛症の症状が重く、倦怠感も痛みもひどい日は、ここが止まります。メールが返せない。そもそも読めない。頭も働いていないので、いい提案も難しい。元気なときなら5分で返せるメールを書き終えるのに、平気で1時間かかります。次に何と言おうか、この画面も確認しないといけない、前回の見積もりはいくらで出していたか。この複合的な作業を体調がしんどいときにやるのは、とても負荷が高いことでした。
会社員として普通に働くことは、実はすごいことをやっているのだと、最近あらためて思います。その場で臨機応変に判断して、お客さまに失礼のないように、売上にもつながるようにと考えながら、社内外と調整して進めていく。元気なときは当たり前にできても、元気でないとできません。
打ち合わせだけは出ようと無理をして、終わったら動けない。2時間の打ち合わせで午前を終えたら、午後は4時ごろまで寝ている。体を使っていなくても打ち合わせは精神的に疲れますし、お客さまにつらい顔を見せるわけにもいかないので、反動が大きくなります。
そうすると、1日にできた仕事が打ち合わせだけ、ということになります。未消化のタスクがずっと頭に積んである状態なので、忘れられません。やらないといけない気持ちだけはあるのに、体が動かない。2日経った、3日経った、1週間と言ったのに間に合わない。本当にまずいとなったら、夜中に徹夜します。そうするとまた疲弊するので、片づけたあとにダウンして、動けない日が2、3日続く。またたまる。徹夜する。ダウンする。
地獄みたいですよね。

AIの前に、セーブすることを覚えた
そういうことが起きないように、1日に働く時間をセーブする、最低限メールの対応だけはやる、というようにルール化してきました。山と谷がジェットコースターのように起きないよう長いこと調整し続けて、セーブする力というか、頑張りすぎないことを覚えた。これがAIの活用の前段階としてあります。
順番が逆だったら、たぶん今の形にはなっていません。
5分で終わる仕事も、Claude Code を通す
いまは Claude Code(新しいタブで開きます) と Orca(新しいタブで開きます) でいろいろなことを自動化し、並列に処理させられるようになりました。そこに至るまでには、小さいタスクから大きいタスクまで、5分で終わる仕事でも全部 Claude Code を通す、ということを積み上げてきました。
その結果、メールの返信は下書きを作ってくれるところまで来ましたし、提案書も自動で作れるようになりました。ウェブの修正も、指示をして、出来上がったものをチェックしてOKと言えば進みます。間違っていれば直せばよくて、その指示も音声入力(新しいタブで開きます)で済むようになりました。
ボールを持っている時間
夜寝ている間に一通りお願いしておいて、朝起きたらできている。下書きを確認して送るだけ。その次元まで来ると、積んであるタスクの量が、すごく少なくなります。受託案件もあらかた終わっていて、お客さまの確認待ちの時間のほうが長い。こちらがボールを持っている時間が、圧倒的に少なくなりました。
だから、体調がしんどい日に「今日は寝てしまおう」と判断できます。お客さまに悪いな、仕事を待たせているな、という罪悪感なしに決められる。寝ながら2時間だけ働く、午前だけやって午後は休む、外出先からリモートで操作する、という形も取れます。
ここまでが「手を動かす負荷は移せた」という話です。後編では、それでも残ったもの(新しいタブで開きます)——判断の負荷について書きます。
この記事について
| 執筆にかかった稼働 | 約30分(公開後の確認まで) |
|---|---|
| 反動 | ほとんど感じていない。ほぼ一人で完結する内容のため。音声入力でたくさん話したぶん、少し疲れた感覚はあった |
| AIの使用 | 音声入力の文字起こしと下書き。校正AIが書き換えたテキストではなく、認識された生のテキストを素材にし、既知の誤変換だけを辞書で機械的に直しています。取捨選択と文責は編集部 |
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