特集|線維筋痛症・ME/CFS と、働き方

Case記録 読了 5分

1日2時間で区切ると、効率は落ちる。そのかわり、翌日の目が手に入る(前編)

1日を細く区切ると集中は途切れる。そのかわり、昨日の自分を疑う機会が強制的に入る。

  • 岡田慎平記録・構成
同じ大きさのカードが4枚、等間隔に並んでいる。その横に小さな時計が1つ
1日2時間、週4日と先に決めた
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In 3 lines

  • 20ページほどのコーポレートサイトを、1日2時間・週4日という上限を先に決めて進めた。8時間働ける日が来ても、この案件には2時間しか置かない。
  • 細く区切ると効率は落ちる。進捗50%のものが翌日に持ち越され、50%の続きをやるのを繰り返すことになる。
  • そのかわり、次に取り掛かるときに昨日の続きを見ることになる。一人で進めていると入らない客観的な目が、強制的に入る。

20ページほどの、中小企業のコーポレートサイトを作りました。
費用は30万円から40万円くらいの規模で、ふつうに進めても1か月から3か月かかる仕事です。

これを、1日にあてる時間の上限を先に決めて進めました。

結論から書くと、効率は落ちました。
1日を細く区切ると、集中が途切れます。一気に4時間やれる日と比べて、進みは悪くなります。

それでも、この組み方を続けています。落ちたぶんと引き換えに、手に入ったものがあるからです。

何をやったか

ウェブサイト制作です。相談のきっかけは、新しく作りたい、
あるいは既存のサイトに課題があってリニューアルしたい、というものでした。
紹介でご相談をいただくことも多くあります。

予算は大きくかけられない規模で、そのかわり作ったあとに自分たちで運用できることが条件になります。
WordPress で、担当の方が自分で更新していける前提で作ります。
最近多いのは、最初に必要なものだけを作って、あとはブログやコラムを1つずつ足していける形にしておく作り方です。

私たちの側には、WordPress とテーマ、プラグイン、構造の雛形をパッケージにしたものがあります。
そこに、その会社の色、考えていること、扱っている商品を当て込んでいきます。
ゼロから組まないぶん、この価格で作れます。

進め方

順番はだいたい決まっています。

  1. ページ数、作りたい内容、写真撮影の有無、資料をお借りする範囲を伺って、概算の見積もりを出す
  2. 要件が定まったところで、詳細の見積もりを出す
  3. 受注したら仕様を詰めて、デザイン案を出す(予算によっては2案、1案のこともあります)
  4. デザインが決まったら、ページごとに内容を確定させながら実装していく

トップページと、会社やサービスを案内するページは、ワイヤーフレームの段階から作り込みます。
ページ数があるので、毎日少しずつ積み上げることになります。
週末に1日2日こもって終わる種類の仕事ではありません。

波は、体調だけで来るわけではない

この仕事には、体調の波とは別に、業務そのものの波があります。

打ち合わせの前は詰まります。マイルストーンの期日の前も詰まります。
逆に、お客さまにボールを投げたあとは落ち着きます。
つまり波は、外から決まった日程でやってきます。
体調の波は、それとは無関係に来ます。2つが重なる日があります。

どう組んだか — 1日の上限を先に決める

やったのは、ひとつだけです。

この案件にあてる時間の上限を、先に決めました。

並行して別の案件を受けることもあるので、自分の稼働全体の上限も先に決めます。
そのうえで、この案件に置くのは1日2時間、週4日にしました。

大事なのは、8時間働ける日が来ても、この案件には2時間しか置かないことです。
やれる日にやってしまうと、その反動でやれない日ができて、また波になります。
波を自分で作らないために、上限を決めています。

細く区切ると、効率は落ちる

正直に書きます。この組み方は、効率が良くありません。

2時間で区切ったとき、その時間内にキリの良いところまで行けるかが問題になります。

たとえばデザインは、2時間でやりきるのが難しい仕事です。
今日はここまで、と切って続きは別の日になり、
進捗50%のものが翌日に持ち越され、50%の続きをやるのを繰り返すことになります。

タスク分解の粒度と、時間の枠が噛み合っていないと、これは相当に扱いづらい。
細かく切れば切るほど、組むこと自体が難しくなりますし、集中も途切れます。

一気に4時間やれる日と比べれば、同じ量が終わるまでにかかる時間は長くなります。
集中している時のほうが、効率は良いのです。これははっきりしています。

それでも、区切ることで手に入るもの

区切ることには、思っていなかった利点がありました。

デザインや構築は、集中してやっている最中には気づかないことがあります。
配置が合理的かどうか、客観的に見てどうか。作っている自分には、見えません。

同じ大きさの紙が2枚、少しずらして重ねて置いてある。その横に鉛筆が1本
1日寝かせて翌日に見ると、全然違って見えますイラスト|編集部(AI生成)

1日寝かせて翌日に見ると、全然違って見えます。
これは会社員だったころからそうでした。冷静な目で見ると、自分の出したものの粗が見つかります。

チームで作っていれば、ここは人のフィードバックが埋めてくれます。
レビューを頼めば、客観的な目が入ります。

一人で進めていると、その余地がありません。

ところが、2時間で切って翌日に持ち越すと、次に取り掛かるときに、昨日の自分の続きを見ることになります。
そこで必ず、気になるところが出てきます。
集中が途切れるのと引き換えに、客観視する機会が強制的に入るということです。

とくにデザインのように目で見て判断するものでは、これがよく効きました。

ただし、直すぶんの時間もかかります。
短期集中でささっと作ってすぐ出したい、という仕事には、このやり方は向きません。
一人でコツコツ積み上げて、改善を繰り返しながら品質を上げていく場合に、うまくはまるやり方です。

稼働の実際

この案件の稼働の実際
この案件にあてた時間1日2時間 × 週4日
1日あたりの最長2時間(超えた日はありません)
進め方積み上げたものをお客さまに回し、打ち合わせでフィードバックを受け、修正して次へ
決めていたこと8時間働ける日でも、この案件には2時間しか置かない

できなかったこと

体調の波で作業に当たれない日が続くと、タスクは止まります。
上限を決めても、そこは止まりません。

そしてもうひとつ、4時間や6時間かかるタスクは、1日のスケジュールに置けません。
置けないので、そのまま持ち越されます。持ち越されたものは滞留します。

上限を決めるというのは、滞留する種類の仕事を作るということでもあります。
そこは解決していません。

後編では、そもそも2時間で終わるタスクにどう割るかを書きました。
分解の粒度、登録の手間、管理表が使われなくなること、そしていまそこをどう渡しているか。

続きはこちらです。


この記事について

この記事について(稼働・反動・AI の使用・掲載範囲)
読み方これは一人の記録です。同じ病名でも、同じ条件でも、別の結果になります。それでも書くのは、一人ぶんの具体が積み重なることに値打ちがあると考えているからです。体験は書きますが、助言はしません。読み方について(新しいタブで開きます)
執筆にかかった稼働口述と確認 約45分(編集長。前編・後編あわせて)/構成と下書き=編集部(AI を使用)
反動少しあり。長めの記事なので、疲れが残った
AIの使用口述の文字起こしと下書きの作成。取捨選択と文責は編集部
利益相反なし
掲載範囲編集長自身の記録です。お客さまを特定できる情報(社名・業種・時期・サイトの URL)は書いていません

Authorこの記事を書いた人

岡田慎平

線維筋痛症・ME/CFS の当事者。WEB制作会社 合同会社LOFIR 代表社員。体調に波がある人の働き方を設計し、記録している。

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