Peopleこの記事の人
- 岡田慎平
線維筋痛症・ME/CFS の当事者。WEB制作会社 合同会社LOFIR 代表社員。体調に波がある人の働き方を設計し、記録している。
In 3 lines
- 月2回・60分のヒアリングから、月に3〜4本の記事を公開する。これをやれる日にまとめてやる形で回していた。
- 早い時もあれば、ぎりぎり遅くなる時もある。すると相手は「いつ来るか分からないもの」を待つことになり、受け取ったときに忙しければ着手できない。
- 安定したリズムで、決まったものを決まった頃に届ける。その体制を持っていること自体が、サービスを提供する側の設計だと思うようになった。
企業の担当者に60分お話を伺って、そこから記事を書いて公開する。
その一連を、サービスとしてお引き受けしています。
この仕事を、やれる日にまとめてやる形で回していた時期がありました。
体調のいい日に一気に進めて、悪い日は止まる。合計では足りているはずでした。
足りていませんでした。 崩れていたのは、自分の予定だけではなかったからです。
何をやっているか
月に2回、1回60分のヒアリングをします。
そこから、月に3本から4本の記事を公開する、という形が多いです。
1本の文字数は、読みやすさを取って3,000字前後にするか、
しっかり読ませたくて4,500字前後にするか。ここは相手によって変わります。
テーマは、あらかじめ決めておくこともあれば、
直近のアクセス解析から「どういう情報が求められているか」を見て決めることもあります。
ただ実際に多いのは、いま発信したいこと、旬の商品、問い合わせが多い項目です。
ヒアリングで拾うのは、カタログに載っていないほう
ここがこの仕事の中心です。
企業には、営業資料やカタログがあります。
あれは、研ぎ澄まされたものです。お客さまと話す中で何が刺さるかを積み上げて、
分かりやすく、説明しやすい形に整えられています。
その過程で、そぎ落とされた情報がたくさんあります。
たとえば、アウトドア向けのウィンドブレーカーがあるとします。
営業資料には「どこがいいのか」が書かれます。素材か、デザインか、価格か。
ヒアリングで聞くのは、その手前です。
- なぜ、その素材を選んだのか。 なぜ、その素材である必要があったのか
- 撥水剤をフッ素を使わないものに切り替えた、という話が出てくる。そこには環境負荷の話がある
- 誰向けに作ったのか。 ターゲットをどう決めたのか
- 実際に世に出したあと、どう使われたか
最後がとくに面白いところで、
登山向けに考えていたのに、自転車でのデリバリーにぴったりだった、という話が出てきます。
逆に、街に溶け込むデザインにしたことで、暗いところでは見えにくいという声が来ていたりもします。
そして、担当の方自身の思いが出てきます。
会社としてどういう気持ちで作っているのか、社会に対して何を出していきたいのか。

まだウェブサイトで語られていない、カタログにも載っていない情報です。
これを聞き出して、ひとつずつ記事にしていきます。
60分のヒアリングから、記事のネタは何本も出ます。
そのあと優先順位をつけて、どれをいつ出すかの計画を立てます。
1本の記事は、思ったより多くの工程でできている
ネタが決まっても、すぐには書けません。切り口を決めるところからです。
さきほどのウィンドブレーカーの素材の話なら、環境負荷から書くのか、
撥水性や通気性から書くのか、自転車や登山で使ったときの使いやすさから書くのか。
誰に読んでほしいのか、サイトの中でこの記事をどこに置くのかで変わります。
そこから先は、こうなります。
切り口を決める → 構成を作る → 書く → 足りない事実を調べる → 原稿案にする →
確認していただく → 足りない情報をいただく → 必要なら写真撮影 → 図やイラストを用意する
文字を書くだけの仕事ではありません。
サイト全体の中でどう見えるか、どう読ませたいか、というところまで含みます。
やってみると、かなり多岐にわたる作業です。
だから、分け方にも幅があります。
1人で全部やるのか、画像だけ別の担当にするのか、レビューを別に置くのか、
構成だけ分けるのか、調べるところを分業するのか。
ここは、この3年でいちばん変わったところです。
2023年の後半から2024年にかけて、チャットの画面で下書きや調べものを頼むようになりました。
いまは、調べる役、書く役、全体をまとめる編集の役を組み合わせて、
一連のワークフローとして動かせるようになっています。
ただし、全自動にはしていません。
事実の確認、読みやすさ、そして「AI が書いたような文章になっていないか」。
ここは人が読んで、直します。 例外にしていません。
分解して、毎日に置く
工程がこれだけあるので、そのままでは1日の中に置けません。
ヒアリングから次のヒアリングまでの2週間で、どこまで進めるか。
月に何本出すか。そこから逆算して、1つずつのタスクに割ります。
割っていないと、こうなります。
締切が近づいてから慌てる。体力のある日にがっつりやる。やれる時にやる。
これは、かつての私です。
こちらの波は、相手の予定も崩す
ここが、この記事で書きたかったことです。
うまく回っているときは、こういうリズムになります。
- 月2回、60分のヒアリングをする
- 1週間後には、アウトプットが出ている
- 相手がチェックして、差し戻しをいただく
- 修正したものを持って、次のミーティングに臨む
- そこで最終確認をして「これで公開して大丈夫です」となる
- 同じ場で、次の記事のヒアリングに入る
この流れがあると、相手も自分の予定を組めます。
波があると、これが崩れます。
早い時もあれば、ぎりぎり遅くなる時もある。
すると相手は「いつ来るか分からないもの」を待つことになります。
そして、相手にも業務の波があります。
受け取ったときに忙しければ、着手できません。
「暇になったタイミングでやります」になります。
結果、記事が滞留します。 発信の量が足りなくなり、成果も出ません。
とくに中小企業では、広報の専任担当がいないことのほうが多いです。
営業の方が兼務していたり、社長や副社長、専務の方がご自身で携わっていたりします。
一人で会社をやっている方なら、なおさらです。
みなさん、忙しい。
平準化は、体調の話であると同時に、サービスの設計
もちろん、こちら側の体力の事情はあります。波を平らにしたいのは、まず自分のためです。
ただ、それ以上に、と思うようになりました。
安定したリズムで、決まったものを、決まった頃に届ける。
その体制を持っていること自体が、サービスを提供する側の設計として重要です。
こちらが平らに出せていれば、相手は自分の業務の中にそれを置けます。
置ける形で届けることまでが、この仕事だと思っています。
重めの案件で同じことをやった記録もあります。
この記事について
| 読み方 | これは一人の記録です。同じ病名でも、同じ条件でも、別の結果になります。それでも書くのは、一人ぶんの具体が積み重なることに値打ちがあると考えているからです。体験は書きますが、助言はしません。読み方について(新しいタブで開きます) |
|---|---|
| 執筆にかかった稼働 | 口述と確認 約30分(編集長)/構成と下書き=編集部(AI を使用) |
| 反動 | なし |
| AIの使用 | 口述の文字起こしと下書きの作成。取捨選択と文責は編集部 |
| 利益相反 | なし |
| 掲載範囲 | 編集長自身の記録です。お客さまを特定できる情報(社名・業種・商品名・時期)は書いていません。商品の例は、説明のために形を変えています |
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